注目される海外コスメ

【注目】本当に欲しいのは「私だけの化粧品」

1997年に1兆5000億円(メーカー出荷金額)に達した化粧品の市場規模は、それ以降ほぼ横ばいの状態が続いています。

内容を仔細に分析すると、著しい成長率をみせる「お宝」とでもいえるカテゴリが必ず存在し、各メーカーはシェアを奪取すべく新商品の投入と広告宣伝を繰り広げています。

日本国内だけでも「化粧品メーカー」といえる企業は約2000社ほどありますが、自社で製造ラインを保有する「マニュファクチャラー」はそれほど多くはありません。マニュファクチャラーに原料を供給する原料メーカーも然り。極端な話「メーカー名が違うだけで中身は大差ない」商品が巷に溢れているのです。

市場の成熟と、化粧品に対する消費者意識の高まりとともに、大手メーカーが大量生産するマスプロダクションでは満足できず、「私だけのブランド」を求めるお客様が増えています。

消費金額はさておき、消費者がイメージする化粧品“大国”は依然として欧米諸国であり、特にフレグランスやメイクアップのカテゴリにおいて顕著です。日本のマーケットの主流を占めるスキンケア分野においても、国内メーカーでは作り出すことができない高い効果や機能性を誇るブランド・製品群が数多く存在しています。

ホンモノを求めるお客様の中には、お目当ての商品を海外より個人輸入したり、購入するため海外旅行に出かける方もいます。化粧品専門店や薬局で原料成分を買い求め、自分だけのコスメを手作りする“プロシューマー”も、もはや珍しい存在ではありません。

市場を読むポイント

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは頭髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされるもので、人体に対する作用が緩和なもの。

日本の薬事法では化粧品の定義を上記の通り定めており、「化粧品よりもある効能についてのみはっきりと訴求できる化粧品」を医薬部外品(いわゆる薬用化粧品)と位置づけています(※1)。

医薬部外品という概念は日本の他、一部の国にのみ存在し、欧米にはみられないもので、日本では医薬部外品に相当する商品が化粧品として販売されている場合がよく見られます。「海外コスメは効く」というクチコミも、プラシーボ効果によるものだけではありません(※2)。

製造技術的にも成熟し、良くも悪くも“ドングリの背比べ”の日本製化粧品では満足できず。消費意欲の高いプロシューマー層は、機能面でもよりすぐれた海外製品に常に注目しています。

※1 デオドラント(体臭予防)、除毛・脱毛、にきび・肌荒れ防止、美白(日焼けによるしみ・ソバカスを防ぐ)、脱毛予防・育毛、染毛、パーマなどが、一般的には医薬部外品の効能の範囲とされます。

※2 反面、成分配合量などの理由によって、オリジナルの処方のままでは日本で販売できない場合があります。

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